あなたはレジリエンスエンジニアリングをご存知ですか?
レジリエンスとは「復元する力、回復する力」のこと。
エンジニアリングとは「技法や工学」のこと。
組み合わせると「技法の再構築」という意味になります。
エリック・ホルナゲルという人が提唱している
デンマークの大学教授でもあり、 産業安全、患者安全、事故調査、大規模会社技術システムを専門領域として大学研究所や産業所において、原子力発電や宇宙、ソフトウェア工学などの課題に取り組んできた人物です。
「安全推進の商品は通常有害事象の結果としての望ましくない状況や障害や損失に向けられてきた」
と述べています。
システムの場で用いられる
レジリエンスエンジニアリングの概念は 主に医療の現場です。
もちろん、医療に携わっていない人でもこの理論を知っていると世界観は大きく変わります。是非参考にしてみてください。
セーフティー1、セーフティー2
レジリエンスエンジニアリングの理論では「Safety 1とSafety 2」という考え方があります。
Safety 1は
- 悪いことが起こらないのが安全で、人間の失敗が安全なシステムを危険な状態にする
- 失敗の数を減らすことを目標にする
- 失敗の原因を取り除くことで、失敗の再発を防ぐ。
- 失敗しないやり方を決めてそれを守る。
当たり前のことのような気がしますよね ?
しかし、このSafety 1を目指すと、 ルールを作ったらそれを守らせるだけのマニュアル主義で、それ以上の進歩はなくなります。違反者を厳しく罰する厳罰主義にもなり、品質と生産性との対立も起こり得ます。
Safety 2は
- 変化する状況の中で成功を続ける能力が安全
- 人間の柔軟性が危険なシステムを安全に機能させている
- 成功の数を増やすことを目標にする
- 失敗を理解するために通常どのように成功しているかを理解する
- 自分の頭で考えて臨機応変に対応する
Safety 2を目指すと、人への信頼ができて、自律的な安全行動をとるようになります。
そして臨機応変な対応に期待ができて、管理者、生産性、効率性の圧力の下でなんとか安全性を確保しようとする現場の努力を支援できます。
もちろん理想としてはSafety2を目指すべき。
「失敗の数を減らすこと」と「成功の数を増やすこと」は一見似通ったように感じますが、この両者は決してイコールではありません。
そう!
Safety 1では進展は期待できないわけです。
レジリエンスを生かすためには個人の能力が重要!
プロフェッショナルの条件として、腕がいいこと。信頼されていること。
テクニカルスキル専門知識と技術、情熱が高いことが挙げられます。
4つの能力
さらに、応用として4つの能力が求められます。
- 生じている変動や外乱に適切に対処できる能力。
- 警戒すべき強意を認識できて何かを重点的に監視すべきかを知っている能力。
- 監視よりもさらに先のことを予期予測できる能力。現在のデータによって駆動されないこと。
- 注目する事柄の選択と、そこから教訓導出する能力。
まとめ
レジリエンスエンジニアリングの考え方を予め理解しているなら、今からすぐ実行に移しましょう。
ネガティブになりがちな安全対策をポジティブな方向にシフトする!
そして、Safety2の考え方を導入し、予期、予測をできるように状況の認識を向上しましょう。学習能力の向上が期待できて自分の頭で考えることができるようになります。