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労働審判の審議とはどういうもの?体験談のご紹介

労働審判の審議とは

労働審判とは、労働者と事業主との間で起きた労働問題を労働審判官1名と労働審判員2名が審理し、労働問題の解決を目的とした制度です。

この労働審判の売りは早さですが、実際は毒々しいやりとりをやります。

仮に、相手方にいかなる非があろうとも、弁護士を雇い執念深く様々な嫌がらせじみた事をするのも常套手段です。

そもそも、まともな思考が働いた雇い主ならトラブルになりはしないのです。会社の状況でやむを得ず賃金は支払えないとかは、社長の姿を見てれば金策に困っているなど人情味がある筈です。

1回目の審議は本当に大事

これは経験から申しましょう。裁判であれば長い期間をかけて、相手方の矛盾を引っ張り出す事ができるんです。例えば日時や準備書面の矛盾点など、時間経過とともに違法性が疑われる事が判明してきます。

嘘をつく事が直ちに違法とはなりませんが、例えば嘘の求人で内容と違う仕事とか、賃金にあまりにも違いがあるなどこれは職業安定法違反となります。(職業安定法65条 8号)これらに違反した場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となる極めて重い刑罰が経営者に科される可能性が出てきます。

騒がれると、大事になる前にお金で解決しようと考える経営者は少なくはないかもしれません。つまりこうした違法性をどのようにひっぱりだすかがポイントです。

しかし労働審判の場合、立証は勿論ですが通常の裁判と違って調停なので、つっこんだやりとりというよりは話合ってお互いが折り合いをつけるというのが、この制度の根幹かもしれません。

私の場合、2回目の審議で準備書面を前日に提出しましたが、こちらの口頭弁論前に打ち切られ判決を出され敗訴となりました。1回目に個人でやれる証拠集めは限界があり、相手方の矛盾点をついて準備書面で反撃する作戦でしたが、審議官は互いの歩みよりがないとみるや否やさじをなげてしまった形のようでした。

酷いケース

最初にやった東京地方裁判所でやった労働審判は最悪でした。労働審判は通常訴訟と違って、傍聴人がいません。その変わり相手方は言い方は悪いですが、弁護士と証人ぜいぜい二人程度というところですが、私の最初の案件は全部で9人。書記官も驚いていました。

某大学教授も加わって私一人によってたかってほぼ苛めの状況になりましたが、なんとか、数十万円の賠償を勝ち取りました。審議官も本来労働者側の、審判員も全く助けてくれません。

ちなみに東京地裁には地下に郵便局があり、そこで切手を買って判決書を後日受け取る事となりました。両方のケースで言える事ですが、せめて司法書士の先生ぐらい代理人を認めてくれればいいのに、弁護士以外はダメだというこの制度は、労働者にとても不利だと言えます。つまり闘う前に多額の資金が労働者にかかる訳です。

なぜなんだろうか?

もともと本音を言うと、裁判所というのは労働問題とは一番やりたくない案件という事らしいです。労働審判以外にも、通常訴訟でも労働争議は敬遠される案件らしいのです。

他の案件を聞いていると、我々の一般的な見識とは違う認識の判決が出される事も、労働審判でも通常訴訟でも出されています。

ならばこれこそが、裁判員制度を用いればいいとは思いますし、労働審判はちゃんと傍聴人がいる前でやるべきだと私は思います。

まとめ

密室で行われる労働審判は、一人で闘うと様々な嫌がらせをされます。重要な事は、裁判所というのは相手方から謝罪をさせるような事には絶対なりえないのです。

冷静にお金を取るという目的でやるべきです。その為ならば、言い方は悪いですが、汚い手口もこちらもどんどんつかいましょう。

素人がやる法廷闘争を想定しています。ちょっとの事はある程度見逃す筈です。一回目の審議で大事なのは”相手が支払いをするものかどうか”を探るというのがまず大事です。