学校へ行きたくないーー。
子供にそう言われたら一体どうすれば良いのでしょうか?
ほとんどの親は困り果て、なんとか子供を元通り学校に戻したいと思うでしょう。学校が嫌いな子に学校へ行きなさいと言うのは簡単です。しかしそれではなんの解決にもつながりません。
学校へ行きたくない理由はなんなのか、何かが改善されれば登校しようと思えるのか、学校へ通うことでどんな被害を被るのか、本当は登校したいという意思があるのか、それとも本人に登校の意思がない自主的不登校なのか。
まずはじっくりと子供と向き合うことで不登校へ至った理由を探るのが先決です。話をきちんと聞いてもらえるだけでも子供は安心す思います。
私も不登校だった
かくいう私も中学校1年生の2学期から不登校になりました。母親はまさかこんなことになるとは思わなかったようで、当時は裏切られた気持ちであったと言います。
私の場合は集団で長時間過ごすことのストレス、人間関係のトラブルが原因でしたが、特に目に見えていじめを受けたとか学習面に問題があるとかでもなかったので、まわりから見たら『え?こんなで不登校?行けるんじゃないの?』と思われていたようです。
しかしそんな周囲の考えとは裏腹に、私は心身共にボロボロの状態でした。
もうダメだと思ったのは、金曜日1週間の学校生活が終わった時、それまでは土日の休みをウキウキした気分で迎えていたのですが、金曜の夜にもう月曜日になることの苦痛を感じ始めた時でした。
休み中でさえもう幸福感を味わうことはできない……。
月曜日朝を迎えるのがイヤで眠ることもイヤになり、朝を迎えると胸の上にドーンとなんとも言えない重みを感じ起き上がれなくなりました。
私はその日から不登校になりました。
登校拒否の始まりです。その頃は親に怒られたり、まわりの視線も冷たく誰も味方はいないと思っていました。そんな時母の友人がカウンセラーを紹介してくれたのです。
カウンセラーは唯一の理解者
私にとってその女性カウンセラーは不登校児の唯一の理解者でした。「この子の中にはエネルギーがない状態なんです。このまま無理に登校を勧めたら生きられなくなりますよ」カウンセラーに諌められ母も学校へ行けとは言わなくなりました。
いまでこそ発達障害なんて言葉もつかわれるようになりましたが、子供に異変を感じたらとにかく1度専門家の力を借りるのが良いと思います。
第3者が話を理解してくれる。辛い自分を助けてくれる。その事実は本当に不登校児の救いです。ただカウンセリングなど金銭的な問題もあると思いますので、その場合はスクールカウンセラーや役所の相談員など身近にいる第3者に力を借りる手もあります。
人生を考える時間
不登校の時代を振り替えると、あれは人生を考える時間だったんだなと思います。不登校が辛くないといえば嘘になりますが、それでも学校へ行かなかった時代のことを、後悔したことは私は今まで1度もありません。
人生経験のひとつ、絶ち直ることはいつでもできると信じて。子供の自主的不登校を受け入れる施設、理解する大人がもっと増えることを願います。