幾つかのフィットネスジムを掛け持つスポーツトレーナーをしています。現在39歳、男性です。専門学校を出てからこの仕事をはじめ、キャリアにして18年。身体作りのノウハウやパワーアップの秘訣、ダイエットの極意など、身を持って研究・勉強してきた自負があります。
もちろん、お客様への指導において「より説得力」をもたせるため、自分自身の身体作りを怠ったことはありません。日々、時間があれば筋力トレーニングを積み理想的な肉体を作ってきました。
おかげでこの年になっても身体はそこそこキレキレな感じなので、同年代の男性からはうらやましがられることもしばしば。また、それだけ身体を動かしているため、至って健康体です。ある時までは・・・。
脆くも崩れ去る「自信」
それは2年前のこと。健康には絶対的な自信があった私ですが、この年は、まるで厄年だったかのように、ウイルス性の病気に立て続けにかかってしまいました。まずその年の2月に「インフルエンザ」、6月には「A型肝炎」(海外渡航の時にうつされたと思われます)、そして10月には「急性胃腸炎」。
どの病気も症状がだいたい似たようなもので、吐き気、高熱、関節痛、下痢、ノドや口内の腫れ…などに見舞われもがき苦しみました。また、症状が似ているため、3回とも同じ病院(近所にある胃腸外科)で同じ医師に診てもらいました。
処置は毎回同じで、短期間の入院と点滴投与です。さすがに何度も似たような症状で診察と治療を受けていたため、ちょっと恥ずかしく、入院時にうんざりしたことを覚えています。看護師さんにも「またあなたですか」とまで言われてしまいました。
そのさなか、とくに2度目の「A型肝炎」を患って倒れそうになった時は、「健康体だったはずなに、なんでこんなに弱い身体になってしまったんだろう」…と、なんども疑問に思いながら、入院と通院を続けていました。
加えて、その時からはできるだけ日々の生活(食事、睡眠、生活リズムなど)に気をつけるよう心掛け、妻にも協力してもらうなどして努力しました。もちろん、丈夫な体作りのためトレーニングもこれまで以上に取り組むようにしました。
え?もしかして私、病弱なの?
それなのに、その年の10月、またまたやってしまったのです。3回目の重病。それが、「急性胃腸炎」でした。熱が39度を超え、お腹を下し、吐き気がとまらない。苦しさは、これまでの2つの病気以上だったかもしれません。
あんなに細心の注意を払いながら生活していたのになぜこんな仕打ちに?私はどうしても信じられず苦しみの中ハアハア息を切らせながら、いつもと同じ病院の同じ医師の診察を受けていた時、問いただしてみました。
「先生、なんで私は、こんなに何度も同じ病気にかかってしまうんでしょうか?」すると、医師は聴診器を私の身体に当てながらこう言い放ったのです。
「ん~~・・・キミはもっと運動した方がいいねぇ」
しとるわ!!
と、その時ばかりは威勢よく声を張り上げてしまった私なのでした。(それまでの苦しんでいた私はどこへやら)
無酸素運動では体力アップに繋がらない
なぜ医師がそんなアホなことを言ってきたかというと、医師が言いたかったのは「もっと有酸素運動をした方がいい」という意味だったのです。
とかくトレーニングマニアは、特に男子はウエイトトレーニングを重視しがちです。筋肉がついて逆三の身体に近づくには手っ取り早いからです。しかし、これは瞬発力を鍛える「無酸素運動」になるので、「筋力アップ」はしますが「体力アップ」には繋がりません。
そう、ウイルス性の病気はストレスが一番の要因なのでそれをはねのける「体力」を身につけるように…と医師は言いたかったようですね。ちょっと言葉足らずでした。
以来、私は自信過剰だった自分の考えを改め直し、身体作りには筋力も体力も重要であることを、お客様にもまた自分自身にも言い聞かせるようにしています。